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JRと門司港


JRにとって重要な門司港

九州鉄道のスタートポイントと歴史的駅舎

JR九州列車トランプ というのが JR九州リテール という会社より発売されている。 そのジョーカーに採用されているのが門司港駅。 鉄道関係者にとって門司港駅は特別な存在なのだ。

大正3年(1941年)に建設された美しいネオ・ルネッサンス様式の駅舎は、今や日本国の重要文化財となっている。 それだけの駅舎が建設された背景には、当時の門司港の繁栄がある。 門司港は正に九州の玄関であった。 鹿児島本線の始発駅である門司港駅から九州各地へ、そして九州各地から門司港駅へと人が動いていたのだ。

※ 鹿児島本線は門司港駅から西に向かい、博多駅あたりから南に下り鹿児島駅に至る九州鉄道第一の幹線。 尚、一部区間は九州新幹線の開業に伴いJRから第三セクターに移管されている。 途中、大きな路線と接続しているのは、門司駅(関門トンネルを経由して本州に至る山陽本線と接続)、小倉駅(東九州路線である日豊線と接続)、久留米駅(九州中部を横に横断する久大線と接続)である。

先日、大分に用事で出かけて気がついた。 道路や鉄道のあらゆる所に門司の文字。 大分の動脈である国道10号線(その一部は、別大国道と呼ばれる別府湾を望む湾岸道路)の起点は、門司港駅近くの老松公園前交点なのだ。 そして、もちろん、九州鉄道の起点、0哩標識(ゼロマイルポスト)があるのも門司港駅。 そう、思えば門司の文字には懐かしさがある。 九州人にとって、門司の文字は無意識に刷り込まれているのだろう。 そしてレトロを保つ門司港駅の駅舎は、古き良き時代を懐かしむ九州人のシンボル的存在と言っていいだろう。 つまり、九州人と内地人では、同じ門司港駅であっても、とらえ方や感覚は大きく違うと思われる。

これは、ジャズ発祥の地ニューオリンズを心の故郷とするアメリカ人が多いが、何故そうなのかが日本人である我々に理解しずらいことに似ているかもしれない。 そういえば、門司港駅ではジャズがBGMで流れている。 あちこちで音楽が鳴り響くニューオリンズとは比べものにならないかもしれないが、音楽を大切にする気持ちの上では、門司港は日本のニューオリンズも言ったところだろうか。



新幹線や高速バスに対抗するには門司港開発が一番

福岡県は広く、西と東に距離を隔てて2つの大きな市がある。 1つは県庁所在地である福岡市、もう1つは北九州市という2つの大きな市がある。

そもそも、北九州市は、今でこそ福岡県の中の北九州市であるが、中心である小倉が属していたのは、豊前国→小倉県という大きな行政単位だった。 卵を2つ使って作る目玉焼きに例えるなら、黄身の1つが福岡市、そして、もう1つが北九州市というようなイメージである。 なにせ、福岡市は佐賀県に隣接しており、直線距離では、福岡市の天神・博多と北九州市の小倉との間よりも、福岡市の天神・博多と佐賀県の県庁所在地である佐賀の中心部との距離の方が近いのだから。

このように、福岡市と北九州市という2つの都市が距離的には離れているのだが、この2つの都市間は交通が発達しており、意外と近く感じられる。 公共交通機関では、西鉄の高速バス、JR西日本の新幹線、そしてJR九州の在来線が短時間で両都市間を結んでいるのだ。 しかも、これらが競争している関係で、運賃が安い。 西鉄の高速バスに至っては、天神〜小倉間が、平成20年4月に値上げしたが、それでも、たったの片道1100円(往復乗車券だと片道あたり1000円)という安さである。 凄い経営努力だと思う。

さて、JR九州は、このように福岡市〜北九州市間で厳しいパイの奪い合い競争に晒されている訳だが、門司港からだとJR九州を使うのが圧倒的に便利で、門司港でのイベント開催で人が移動したり、門司港の人口が増大すると、それは、とりもなおさずJR九州の福岡市〜北九州市間における利用客を増やすことになる。 門司港は歴史的にJR九州のお膝元と言って良いだろう。 JR九州が門司港でのイベント開催や都市開発に力を入れてもおかしくはない。


門司港駅の新たな役割

門司港エリアは一時期衰退したものの、門司港レトロという観光資源を掘り当て、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで人気観光スポットへと変貌を遂げている。

そこで、門司港駅から更に北東、関門橋の橋の根本近辺(和布刈公園)までの約2Km、昔の貨物線を活用した観光列車を走らせようという計画。 名称は「門司港レトロ観光列車」。

牽引型の可愛いトロッコ列車で、時速15km程度のスローな運転となるようで、2009年開業予定でプロジェクトが進行中とのこと。 平成20年6月4日付けで国の事業許可が下り、オールグリーン。開業に向け特急で駅、車両、軌道、信号、その他の整備作業が開始される模様。

門司港レトロ地区の観光に、また新たな魅力が加わる。


そしてもう1つ、今度は韓国の釜山港との間に旅客定期フェリー「MOJI LINE(モジライン)」が就航したことに伴う、九州の玄関口としての門司港駅の地位復権である。

ここで注目すべきは、既に、対岸の下関と韓国釜山港を結ぶ釜関フェリー路線があるにもかかわらず、この門司港〜釜山港ラインが開設されたこと。 これは、韓国が九州を大注目していることに他ならない。

門司港は日本有数の都市であり発展著しい博多や大規模な国際イベント会場を備える小倉までの交通アクセスが良く、生活もそこそこ便利で、しかも博多のような都心部と比較すると地価がかなり安い。 そもそも、下関より門司港の方がイメージ的にもいい。 韓国が日本に進出する足がかりとするには最も適した場所であることには間違いないだろう。 また、高速道路にすぐ乗れる点も評価できるのではないだろうか。 しかも、運賃が競合する釜関フェリーよりも低く設定されているというから、下関発着の釜関フェリーとの勝負で、かなりMOJI LINEの方が勝つ確率が高いのではないかと考えられる。 もっとも、勝算がなければ参入しないでしょうしね。

いずれにせよ、門司港駅は、日本の、そして九州の玄関口として、再び機能し始める。

   

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